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日本社会臨床学会入会のお誘い

日本社会臨床学会第III期運営委員会

1993年4月、日本社会臨床学会は、社会・文化の中で「臨床」という営みを点検、考察し、さらにそのあり方を模索することを目的として、発足しました。以後、今の時代を生きる人間の悩みや想い、その背後にある社会の矛盾や問題を、さまざまな領域や立場の人々が共に、自由に考え合える場を作り出すことを目指して活動を続けてきました。

本学会は、臨床心理士の国家資格化に協力することを決めた日本臨床心理学会から分かれて設立されたのですが、それまで20年余りの臨床心理学会は、「『される』側に学び、『される』側と共に」、心理テストや心理治療が人と人を分断し抑圧していく道具であること、精神医療や教育相談、さらには裁判の場で心理学が果たしてきた加害的役割、早期発見・治療にみられる優生思想、そして、「子ども・発達・障害」観の検証の必要性など、多くのことに気づいてきました。また、臨床現場に限らず社会総体が、資格・専門性という軸によって大きく再編されつつあることにも気づきましたが、その流れの中へ臨床心理学会自身も翻弄され取り込まれていきました。

こうして、私たちは、それまでの臨床心理学会の課題と精神を継承、展開することを願い、より一層の広がりと深まりを求めて新しい場としての日本社会臨床学会を設立した後、さまざまなテーマへの取り組みを重ねています。

例えば、すでに社会臨床シリーズ4巻を発行しています。それらのテーマは、精神医療と「精神病」を開く模索、学校カウンセリングと心理テストの今日的状況と問題、施設と街のはざまに生きる障害者の現在、〈臨床・人間・社会〉の考察です。さらに、カウンセリング、脳死・臓器移植、情報機器と人間関係、登校拒否・障害・学校、高齢化社会と「老い」など、継続して追求している問題、新たに見えてきた課題があります。

このような諸テーマに関わりながら、私たちは、私たちの日々の暮らしにおける〈出来事・関係〉と、その出来事・関係を生み出している〈社会・状況〉を、前者から後者へ、後者から前者へ、と力動的に往復する思索を持続する場として、社会臨床学会を作り続けていきたいと願っています。

学会の主な活動は、学会誌『社会臨床雑誌』(年3冊)、学会紙『社会臨床ニュース』(不定期、年6号程度)の発行、総会(年1回)、シンポジウム・学習会等(随時、年数回)の開催、単行本の出版などです。会員には、学会誌・紙への寄稿、企画・運営へのご協力など、学会活動を共に担ってくださることを期待しています。なお、非会員の方にも、総会、学習会など諸活動を開いています。

会員には、当学会の目的に共鳴して共に考えるお気持ちのある方ならば、どなたもなれます。また、共鳴するまではいかないが、学会誌・紙を定期的にお読みになりたい方は講読会員になっていただけます。

年会費(4月〜翌年3月分)はいずれも6000円です。

皆様の学会入会を心からお持ちしています。


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